大切な人など、何かを喪失した人が登場する作品が多いが…。「書きたいのは、『喪失』ではなくむしろ『喪失があっても幸せになれる』ということ。何かを失ったことのない人はいません。みな、失いながら生きていく。けれど生きていく価値はないかというと、そうじゃない。物の見方を変えるだけで、幸せになれるはず。例えば、道ばたに咲いているタンポポを見て、『雑草だな』と思うか『かわいいな』と思えるかの違い。読む前よりも、読んだ後のほうが幸せに生きられる。そんな、すてきに生きる方法を書いていきたいですね」(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
■もりさわ・あきお 1969年、千葉県生まれ。早稲田大学卒。小説、エッセー、ノンフィクションなど幅広く活躍。小説『津軽百年食堂』は2011年に映画化。『あなたへ』は高倉健主演映画の小説版としてベストセラーになる。
「癒し屋キリコの約束」(森沢明夫著/幻冬舎、1500円+税)