日中戦争時の強制連行をめぐり、河北省高級人民法院に損害賠償などを求めて提訴に向かう元労働者ら。被害を受けた中国人を探し出しては提訴を後押ししてきた反日活動家らは今、皇居内で保管されている唐代の石碑を新たな標的にし始めた=2014年4月2日、中国・河北省石家荘市(共同)【拡大】
この件について、宮内庁は産経新聞社の取材に対し「石碑は日本の国有財産で公開していない」としたうえで、返還要求については「現時点でコメントできない」と話している。
日中関係筋によれば、戦争等を理由にある国の文化財が別の国に移され、その後、返還を求めることは国際社会でよくある事案だ。当事国間の交渉で、返還されたものもあれば、拒否されたものもあり、対応はケース・バイ・ケース。しかし、今回はこうした一般の外交事案ではなく、中国国内で起きた反日運動の新たな手口の要素が極めて強く、日本は慎重に対応する必要があると主張している。
主導者は著名活動家
今回、石碑の返還を主導する団体の実質の責任者は、著名な反日活動家の童増(どう・ぞう)氏である。今年初めから3月にかけて、第二次大戦中に日本に連行され、重労働を強いられたと主張する元中国人労働者らをまとめ、中国各地の裁判所に日本企業に対して損害賠償を求める一連の提訴を主導したのが童増氏である。
童氏はこのほか、南京事件の犠牲者や元慰安婦に対する賠償など多くの事案に携わっている。