第3のビールだった「極ZERO(ゴクゼロ)」を発泡酒に変更して再発売し、記者会見するサッポロビールの尾賀真城(おが・まさき)社長。ゆがんだ税制のために、日本のビールメーカーは高い技術力と経営資源を「ビールっぽいもの」をつくることに傾けざるを得ないのが現状だ=2014年7月15日、東京都渋谷区(共同)【拡大】
財務省主税局によると、ビールがぜいたく品だった時代に重税を課したのが始まり。担当者は「税率を上げても消費が衰えていないので、今の税負担でも耐えられると考えている」と説明する。消費量が多く、減税は税収への影響が大きいという事情もあるようだ。
いたちごっこ
「税金を安くできるビール類を、と考えた」。キリンビールの広報担当者は、キリン初の発泡酒「淡麗」を発売した1998年をこう振り返る。
ビール類は麦芽使用率で分類される。ビールは66.7%以上で、発泡酒が25%未満。新ジャンルは麦芽50%未満の発泡酒に蒸留酒を混ぜたものと、麦芽の代わりに大豆などを使ったものがある。
しかし国は96年と2003年に増税を実施し、発泡酒の税額は1.6倍に。「ビールに近い商品なので、税率格差を縮めた」(財務省)。さらに税率が低い区分の新ジャンルも増税され、いたちごっこが続いている。
「国際競争力上問題」
今やビール類出荷量の半分を占める発泡酒や新ジャンルは、国内限定商品だ。大手メーカーの関係者は「日本の酒税法に合わせて造った」と打ち明ける。キリンも海外では主力ビールの「一番搾り」を売り込んでいる。