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【広島土砂崩れ】男児抱え誘導中犠牲 消防士襲った土石流 (1/2ページ)

2014.8.21 09:30

大規模な土砂崩れが住宅街を襲った現場。背負われて救助される住民=2014年8月20日午後、広島県広島市安佐南区(森田達也撮影)

大規模な土砂崩れが住宅街を襲った現場。背負われて救助される住民=2014年8月20日午後、広島県広島市安佐南区(森田達也撮影)【拡大】

  • 【広島土砂崩れ】2014年8月19日深夜から20日未明にかけて局地的な豪雨に見舞われた広島県広島市安佐南区、安佐北区の広範囲の各所で土砂崩れや土石流が発生し、多数の住宅がのみ込まれた。

 広島市で8月20日未明に発生した大規模土砂災害では、消防士が二次被害に遭い、命を落とした。

 広島市安佐北(あさきた)消防署の消防司令補、政岡則義(のりよし)さん(53)は20日午前3時55分ごろ、「土石流が発生し、住民8人が危険な状況にある」との通報を受け、同僚3人と安佐北区可部東(かべひがし)の災害現場へ向かった。

 約30分後に現場に到着し、救助した男児(3)を抱きかかえ、ほかの住民7人の避難誘導を開始した。そのとき、再び発生した土石流に巻き込まれ、近くにいた男児の母親(42)と3人で生き埋めになった。午前9時55分ごろに助け出されたが、すでに心肺停止の状態で搬送先の病院で死亡。男児も死亡し、母親も負傷した。

 1979年に消防士を拝命した政岡さん。同僚は「レスキュー隊の経験が長く、知識も豊富で中堅として活躍していた。非常にまじめで、現場一筋の熱く正義感の強い人だった」という。

 2012年7月には、非番の日に路上で単独事故を起こした車を発見。車内にいた重傷者に止血や呼吸確保などの応急処置を施し、無事救急隊員に引き渡したこともあった。

湯出原宏副署長「最後まで職責を全うしてくれたが、残念でならない」

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