広島市の土砂災害で、広島県警は8月21日、行方不明者が7人から36人増え43人になったと発表した。県警は消防と情報をすりあわせた結果としている。死者は36人から3人増え39人になった。広島市によると全半壊した建物は少なくとも20棟あり、うち8棟が全壊。避難勧告は継続しており、多くの人が避難所での滞在を余儀なくされている。
広島市安佐南区(あさみなみく)では、警察官や消防、自衛隊員らが生き埋めになったとみられる高校3年の男子生徒の救助作業に当たった。重機で自宅2階部分の屋根などを壊しながら、生徒の行方を捜した。
集中豪雨、予測は困難
被害が拡大した一因は、土砂災害のもととなった集中豪雨の発生を気象庁が的確に予測できなかったことだ。積乱雲が直線上に次々と立ち上がる「バックビルディング形成」によるとみられる豪雨を予想するのはそもそも困難なためだ。
気象庁は(8月)19日午後10時半の時点で1時間で40ミリ、24時間で100ミリの雨と予想。その後の雨の強まりを受けて20日午前2時前には「20日明け方まで土砂災害に警戒。1時間雨量は70ミリ、24時間で120ミリ」と予報を修正したが、実際には安佐北区で1時間に最大101.0ミリの猛烈な雨を観測。午前4時半までの3時間で217.5ミリの大雨となった。