バックビルディング形成では、発生した積乱雲が風下に流されるとともに風上側で次々と新しい積乱雲が発生し、局地的に雨を降らせるため、それを予測しきることは不可能に近い。
住民に避難勧告届かず
避難勧告の遅れに加え、激しい雷や土石流が無線の音をかき消したり、スピーカーを破壊したため、多くの住民に勧告が届かなかったことも事態を深刻化させた。広島市北部の被災者からは「避難勧告が出ていたとは知らなかった」との声が多数上がっている。
市災害対策本部によると、安佐北区(あさきたく)の可部(かべ)東地区で勧告が出たのは、すでに生き埋め被害などが出始めていた20日午前4時15分。勧告は通常、市の防災行政無線を通じて町内会長宅などにある受信機に伝達。そこから町内放送で流れる仕組みだが、可部東地区には放送用の屋外スピーカーは1基しかなかった。
ほかの地区では、スピーカーが設置された電柱が災害で倒れ、放送が使えない事態も発生。多くの犠牲者が出た安佐南区の八木地区で受信機を設置している女性(67)は「(8月)19日深夜には注意を呼びかける無線が聞こえたが、天候が悪化した未明からは聞こえなくなった」と証言する。