「日本艦隊の働きがなければ、英国は苦境に追い込まれていたかもしれない。そうした史実がマルタで知られていないのはおかしいと思い、コーナーをつくった」。要塞内の国立戦争博物館に、「マルタでの日本帝国海軍」のコーナーを数年前に設置したデボノ学芸員(35)は、こう強調した。
当時、艦隊士官として参戦した片岡覚太郎中尉は著書「日本海軍地中海遠征記」で、「わが国も東洋の平和のため、戦争に参加した」と記し、平和を願いながら苦闘する日本人の姿を描いていた。
≪長い歴史の島 眠る66人の将兵≫
マルタの港に投錨(とうびょう)する日本海軍の艦船、敵から接収したUボートの甲板に並ぶ水兵たち…。マルタの国立戦争博物館には、そんなモノクロ写真が展示されていた。
英国は当時、同盟国でありながら影響力拡大を図る日本を警戒し、不信感を抱いていた。だが、博物館にあった解説は「日本艦隊の艦船数は最大時には17隻に達し、日本の海上支援の意義を否定する英国の見方は今日までになくなった。日本は大戦で重要な役割を果たした」と評価していた。