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夏の切なさに感じる「終わり」の匂い 乾ルカ (3/4ページ)

2014.8.29 16:05

ベランダの朝顔。もう夏の終わりという感じで咲いていました=2014年8月18日、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)

ベランダの朝顔。もう夏の終わりという感じで咲いていました=2014年8月18日、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)【拡大】

  • ブラッシング中に駄々をこねる乾家の愛犬・まるが、札幌ライフをお届けします=2014年8月12日、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)
  • 「夏の終わりに」(ジル・ペイトン・ウォルシュ著、百々佑利子訳/岩波書店、品切れ、重版未定、提供写真)
  • 【本の話をしよう】作家、乾ルカさん=2月15日(提供写真)

 ずっと続けばとの思い

 いとこ同士で遊ぶだけではなく、一人で用水路を泳ぐ小魚を小さな鍋ですくったりもしました。すくった小魚は、熱く焼けた鉄板の上に、水ごと流しました。水は熱で瞬時に蒸発し、魚はあっという間に生干しのようになりました。実家のアイヌ犬に与えると、喜んで食べました。

 今は廃線になったJR-当時は国鉄でしたが-の単線が畑を貫くように走っていて、めったに列車が来ないそこを歩くのも好きでした。ホームだけの無人駅が近くにあって、その周りには少し背丈の高い、細くとがった葉を持つ草が生えていて、赤茶けた石とレールが右を見ても左を見ても続いている。石もレールも夏の陽を受けて熱を溜めこみ、ゆらゆらと陽炎が燃えたっている。そこでしゃがんで枕木や石を延々いじって一人遊びをしても、誰にも怒られませんでした。本当にめったに列車は通りませんでしたし、昼間の大人は忙しく、私に構う暇などなかったのです。

 夏草と強い陽射し、山と畑と緑の匂い。ずっと夏が続けばいいと思いながら、そうは決してならない現実が、私を悲しませました。祖母、叔父叔母、いとこたち、それから夏の空気。具体的になにをと言い表せないところがもどかしいのですが、それらは私にさまざまなことを教えてくれた気がします。夏を越すたび、少しずつ私の中で、なにかが変わっていったのです。

ジル・ペイトン・ウォルシュ著「夏の終りに」とは

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