トラディショナルなエッセンスも
南アフリカ共和国出身のボンゲジウエ・マバンドラも、なかなかユニークな存在のシンガー・ソングライターだ。ネルソン・マンデラの生誕地である東ケープ州に生まれ育った彼は、ヨハネスブルクの学校で演劇を専攻。俳優として仕事をしながら、音楽活動も並行して行っていたという。数年かけて制作し、12年に発表されたデビューアルバム「ウムリロ」は、国内外で大きな評価を得ることになり、一躍人気アーティストの仲間入りを果たした。彼の音楽の特徴は、なんといってもアコースティックを基調にした優しいサウンドと、ハイトーンを駆使した伸びやかな歌声だろう。表面的にはモダンで都会的な印象だが、よく聴くと民謡や子守唄といったトラディショナルなエッセンスがちりばめられている。また、故郷の言語であるコーサ語の響きも心地よく、包容力に満ちた世界に魅了されることだろう。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)