米ニューヨーク【拡大】
2度のタイブレークを含む4時間15分の激戦を制すると、錦織は天を仰ぎ、両腕を開いてガッツポーズ。さらにコートから引き揚げる直前、ボール3つにサインすると、大歓声を送ってくれた観客席のファンに向かって高々とラケットで打ち込んだ。「とても驚いている。ハッピーだ。まだ4強の実感はわかないが、四大大会で(世界ランキングの)トップ10を2人破ったのは評価できる」と、錦織は素直に喜びを口にした。
第1セットはワウリンカの片手打ちバックハンドの強打に苦しんだが、徐々にラリーの回数を増やし、自分のペースをつかんだ。第3セットのタイブレークでは後がない6-7で勝負に出て、ベースラインの2メートル近く後方からバックハンドをストレートに決めると絶叫。「いちかばちかだった」と起死回生の一打で流れを引き寄せ、このセットをものにした。
第4セットは競り負けたが、最終セットは3度のブレークのピンチをしのぎ、相手サーブの第10ゲームをついに破って決着をつけた。「諦めずに戦えた。疲れた中で最後にギアを上げられたのは前回(2年前の全豪オープン準々決勝)できなかったこと」と誇った。