これに対し、細野豪志(ごうし)元首相補佐官(43)は「私は指揮官が(官邸を)離れることに反対だったが、性格からいってあの人は絶対行くと思った。ものすごくあの人は苛烈な性格だ」と指摘。「今考えたら、ものすごく大きなリスクだった。(視察を)止めなかったという自責の念もあった」と反省を述べた。
吉田氏は生前、自身の調書の扱いをめぐり「内容の全てが事実であったかのように独り歩きしないか危惧する」として非公開を求めていたが、政府は吉田氏の調書の内容が報道されたことを受け、方針を転換した。
≪生々しい肉声記録…「歴史的資料」解読を≫
東京電力福島第1原発で、所長として現場の指揮を執った吉田昌郎(まさお)氏の聞き取り調査をまとめた「吉田調書」は、現場指揮官の生々しい肉声を詳細に記録した唯一の歴史的資料だ。さまざまな専門家が精査することで、事故原因の新しい発見や、今後の事故防止につなげることが期待されている。