【国際情勢分析】
台湾で対中政策を主管する行政院大陸委員会の張顕耀前副主任委員(50)の「機密漏洩(ろうえい)」事件が、中台関係に影を落としている。馬英九総統(64)が政治任用した張氏が中台交渉の舞台から転落したことで「政治対話」への機運は薄れ、実務協議にも停滞感が出ている。台湾での報道に中国当局は不快感を表明。今年2月に浮上した11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)での中台首脳会談の可能性は、今や話題に上ることすらまれになっている。
中国に機密漏らす?
張氏の事件は「政治捜査」と指摘されてもやむを得ない展開をたどった。張氏の「家庭の事情による辞任」が発表されたのは8月16日。張氏が「辞任を迫られた」と反論すると、大陸委員会は19日、法務部調査局に協力を求め、「安全保障上の機密漏洩」の疑いで捜査が始まった。主要紙が21日に、「中国のスパイ」疑惑を報じると、調査局はその日のうちに「外患罪」の適用を主管する台湾高等法院検察署(高検)と協議。だが、高検に適用できないと拒否され、捜査の指揮は台北地検に移った。