有力な容疑は、貿易協議の台湾側情報を知人を通じて中国に漏らしたというものだが、地検は28日に張氏から事情聴取しただけで、身柄は拘束していない。機密漏洩事件では、逮捕を経て発表とほぼ同時に起訴するのが常識とされる。このため、張氏の更迭は、直属の上司や馬総統の側近との関係悪化が原因で、「証拠不十分で不起訴になる」との観測も出ている。政権側が張氏に辞職後のポストとして公営企業の会長職を提示していたことも、こうした臆測の根拠になっている。
「台湾内部の政治闘争」
台湾での「スパイ疑惑」報道を受け、中国で台湾政策を主管する国務院台湾事務弁公室の報道官は22日に、「無責任で根拠のない臆測で両岸(中台)関係に負の影響をもたらさないよう望む」と不快感を表明。中国共産党の機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報(電子版)も22日付社説で、事件を「馬英九当局の内部統制力の不足」と断じ、台湾内部の政治闘争だとの見方を示した。