しかし、農家の高齢化などで管理が困難になったことから、30年前に風致保存会が土地を借り受け、さらに8年前の2006年に買い取って管理している。6月の梅と9月の栗が果樹園の二大収穫イベントで、子供たちにとっては自然と親しむ貴重な機会でもある。
「肥料も農薬も使っていません。人間がやっているのは下の草刈りだけ」
風致保存会の野田充博事務局長から説明を受け、栗拾い開始。地面に落ちたイガは両足の靴底で踏むと、ぱかっと開く。中から顔を出した栗をトングで取り出す。なかなか面白い。
収穫した栗は1キロ500円で持ち帰る。「40分くらいゆでるとおいしいよ」と風致保存会のおじさん、おばさんが子供たちに食べ方を教える。そうか。食欲の秋。スズメバチのことはすっかり忘れていた(それもまた少々、困る)。(文:編集委員 宮田一雄/撮影:写真報道局 渡辺照明/SANKEI EXPRESS)