サイトマップ RSS

【溝への落とし物】腹の立つこと 本谷有希子 (4/4ページ)

2014.9.29 15:40

ずっと見ていたら、だんだん美しい光景に思えてきたので撮影(本谷有希子さん撮影)

ずっと見ていたら、だんだん美しい光景に思えてきたので撮影(本谷有希子さん撮影)【拡大】

  • 劇作家、小説家、演出家、本谷有希子さん(本人提供)

 会話をずらすなら、大胆で、緻密で、独創的であってほしい。「大丈夫いいですよ」の一点張りで、買い物帰りの相手を強引に言いふくめるなんて、不快で見るに堪えない。それになんと言っても、こんな強引なずらし方では、相手が気持ちいいはずがないではないか! 弱火にかけられ、じっくりじっくり茹でられていたカエルは、おそらく自分が絶命する直前まで、「いい湯だなあ」と極楽気分だったに違いないのである。

 ああ、腹が立つ、あのリポーターの言いぶん腹が立つなあ、とますます白菜を切る手に力がこもる。(劇作家、演出家、小説家 本谷有希子/SANKEI EXPRESS

 ■もとや・ゆきこ 劇作家、演出家、小説家。1979年、石川県出身。2000年、「劇団、本谷有希子」を旗揚げし、主宰として作・演出を手がける。07年、「遭難、」で鶴屋南北戯曲賞を受賞。小説家としては短編集「嵐のピクニック」で大江健三郎賞、最新刊「自分を好きになる方法」(講談社)で、第27回三島由紀夫賞を受賞。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ