今年8月、米国での仕事にかこつけ、カナディアン・ロッキーを訪れた。4回目となる旅だが、エメラルド湖とタカカウ滝は20年前と変わらぬ美しさだった。
南アルプスと中央アルプスに囲まれた長野・伊那谷(いなだに)で子供時代を過ごした私は山が大好きだ。カナディアン・ロッキーは、日本の山々とはスケールが違う氷河に覆われた高山、数々の美しい湖、豪快な滝、季節の草花や野生動物を気軽に楽しむことができるのに加え、交通の便がよく、宿泊施設も完備していることから一番のお気に入りだ。何より山の稜線(りょうせん)を眺めながら、「あそこに5億数百万年前の生き物が埋まっている」と思いをはせながら飲むカナディアン・ビールは格別の味であることを付け加えておく。(談:東大名誉教授 唐木英明、写真も/聞き手:平沢裕子(ゆうこ)/SANKEI EXPRESS)
■からき・ひであき 1941年、東京都生まれ。72歳。東大名誉教授、倉敷芸術科学大学学長顧問。公益財団法人「食の安全・安心財団」理事長。著書に『不安の構造』など。