米国が地上戦に踏み切らない場合、今回、有志連合で参加したサウジアラビア、アラブ首長国連合、カタール、ヨルダン、バーレーンの5カ国の陸軍から精鋭部隊を編成する。そして、この精鋭部隊を米国の軍事顧問団が鍛え上げ、「イスラーム国」掃討作戦に従事させることになる。しかし、このような態勢で3年をかけても「イスラーム国」を掃討することはできない。その過程で、米国は、不倶戴天の敵であるイランと一定の関係正常化を行い、イラクやシリアにおける「イスラーム国」を掃討することは不可能だ。「イスラーム国」の台頭によって、中東の勢力圏図が大きく変化することになるだろう。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS)