【笑顔のアスリート学】
日本競泳陣の金メダルラッシュに沸いた韓国・仁川でのアジア大会が閉幕した。五輪の中間年に当たる今年は、世界で戦える記録をどれだけ出せるか、勝負どころで勝ち切れるかが、2年後のリオデジャネイロ五輪、6年後の東京五輪に向けての鍵となっていた。加えてチーム内で世界で戦える複数エースの台頭が期待されていた。その期待通り、エース選手たちが各種目でレベルの高い好記録を連発した。
近年の競泳は男子の活躍が目立ち、今大会の金メダルも合計12個のうち男子が8個獲得している。しかし、低調と危惧されてきた女子にも今シーズン、光が差し込んできた。17歳の渡部香生子(わたべ・かなこ)選手が100メートル平泳ぎで銀メダル、続く200メートル平泳ぎでは金メダルに輝き、最終日の疲労がたまっている中で臨んだ200メートル個人メドレーでは、日本新記録で銀メダルを獲得した。4年前の中国・広州でのアジア大会では競泳女子の金メダルがゼロだったことを考えると、個人種目で3個のメダルを獲得する選手が出てきたことは大きな収穫だ。女子にも世界で戦う上での道標となるエースが誕生したことで、周りにも刺激となる。