指導する竹村吉昭コーチも、世界選手権後の変化を感じ取っていた。「香生子自身、足りないことが見えたんだと思いますよ。本人も世界で戦えないと楽しくないでしょう」。悔しさをバネに日本のエースへとはい上がってきたまな弟子の成長を、笑顔で喜んでいた。
私も現役時代、大舞台で大きな衝撃を経験した。世界の大きな壁に何度も何度もぶつかり、跳ね飛ばされ、初めて気がつくこともある。悔しい思いを経験することによって、より強くなれたと感じている。つまずいたときに「もうダメか」と諦めるのではなく、悔しさこそ最大のパワーであり、自身が変われる瞬間であることに気がつけるか。そして、そこから広い視野を持ち、周りからのアドバイスに耳を傾け、実践していけるか。それが大きな飛躍のきっかけになるのだと思う。