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返却滞る拾得物 「早く家族の元へ」 震災 3県警で1万点 (1/4ページ)

2014.10.14 10:10

宮城県東松島市の旧大塩市民センターで保管される写真や賞状などの震災拾得物。今もボランティアが整理を続けている=2014年10月9日(共同)

宮城県東松島市の旧大塩市民センターで保管される写真や賞状などの震災拾得物。今もボランティアが整理を続けている=2014年10月9日(共同)【拡大】

  • 東日本大震災における各県警の拾得物の点数=2014年8月時点

 東日本大震災で大きな被害に遭った岩手、宮城、福島の3県では、がれきの中から見つかった写真や指輪など、今も数多くの拾得物が保管されている。持ち主が分からなかったり、判明しても連絡がつかなかったりするためだ。「いつか返せる日が」。各機関は期待を捨てていないが、震災から3年7カ月がたち、返却は滞っている。

 「処分できない」

 各県警は貴金属や通帳など主に有価物を保管する。これまでに扱った総数は岩手県警が約3万1500点、福島県警が約1万4000点、宮城県警も推定で1万点以上。しかし、8月時点で3県警合わせて1万点以上が返却できていない。

 返却が滞り始めたのは、震災から1年を過ぎたころから。これまで約2万4700点を返却したり、市町村に引き継いだりした岩手県警だが、直近1年半での返却数は約500点と、ペースは目に見えて落ちている。

 拾得物にはイニシャルだけ刻まれた指輪のように、手掛かりがほとんどない物も。原則3カ月を過ぎれば、各県警の判断で処分できるが「遺品か、思い出の品と思うと処分できない」(福島県警)と、3県警とも当面は保管を続ける方針だ。

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