死者72人、行方不明者2人を出した広島市の土砂災害で、発生当日に市の避難勧告が遅れたと指摘されている問題で、現場に雨が降り始めた以降に、気象会社が広島市に対し「(現地の)1時間雨量は1ミリ以下」とする情報を提供していたことが8月30日、市への取材で分かった。降雨予想は(8月)20日午前1時50分に提供されたが、実際の午前2時以降の降雨量は広島市安佐南区(あさみなみく)で80~87ミリ、安佐北区(あさきたく)で92~115ミリを記録していた。
予想と実際の降雨量が大きく乖離(かいり)しており、気象情報会社によるピンポイント降雨予想の不確実さと、その予想に依拠した自治体の危機管理の危うさが明らかになった形だ。
市によると、午前1時50分に気象情報会社から市に伝えられた降雨量の見通しは、「午前2時以降4時までの1時間雨量は1ミリ以下」だった。前日の(8月)19日午後10時にも、同じ見通しが伝えられていた。
広島市は避難勧告を出す際、(1)大雨特別警報(2)避難基準雨量の超過(3)土砂災害警戒情報の発表(4)(消防の)巡視によって危険と判明(5)土砂災害緊急情報の通知-のいずれかに該当した場合に、その後の降雨量の見通しを考慮して避難勧告を出すことにしている。