広島市の大規模土砂災害は発生から3日目の8月22日、死者が40人、行方不明者は47人となった。不明者の生存率が急激に低下するとされる「72時間の壁」が23日未明に迫るなか、断続的に強い雨が降り、二次災害の恐れから住民には避難指示が出され、自衛隊や警察、消防の捜索活動も一時中断を余儀なくされた。「72時間は単なる目安にすぎない」。家族らが「何とか無事でいて」と祈るなか、懸命の救助作業が続けられた。
懸命の捜索続く
広島市内は22日朝から再び雷雨に見舞われ、午前5時には大雨警報が発令された。市は安佐南区(あさみなみく)と安佐北区(あさきたく)の一部に新たな避難指示を出した。
捜索活動も21日夜に降雨のため中断された。22日午前に雨の間隙を突いて再開されたが、午後には「地盤が緩み山が変形している」などの通報があり、二次災害の危険が出てきたため、再び中断された。
市災害対策本部によると、安佐南区八木地区で2人が発見されたが、うち1人は女性で心肺停止の状態だった。別の1人は生死不明という。