市の担当課は水分の摂取や適度な運動を呼び掛け、保健師が避難所を巡回。「不眠の訴えが増えてきた」(女性保健師)。家族や日常生活を奪われ、環境が激変した影響は確実に現れつつある。
「時間の経過につれ、精神状態が悪くなることも多い」。こう指摘するのは、NPO法人「仙台グリーフケア研究会」(仙台市)代表の滑川明男医師(52)。災害に襲われたばかりの混沌とした「急性期」が過ぎると、次第に悲しみが湧いてくるケースがあるという。
仙台グリーフケア研究会は東日本大震災の遺族同士が語り合う催しを続けているが、なぜ家族や友人らを助けてあげられなかったのかという思いに長い間さいなまれることも少なくない。滑川医師は「悲しみを簡単に和らげる薬はない。心のケアは、むしろこれからの時期に大事になってくるのではないか」と話した。