≪避難生活長期化 心身不調の訴えも≫
広島市の土砂災害では、発生から10日が経過した8月30日も住民約1100人が避難生活を強いられた。長期化は避けられず、心身の不調を訴えるケースも出てきた。専門家は「支援の正念場はこれから」と指摘する。
「ずっと雷の音が聞こえるようになった。ほら、今も鳴っとらん?」。広島市安佐南区(あさみなみく)の市立梅林小。校舎の階段に座り込んだ60代女性が、炊き出しの豚汁を手に、おびえた様子を見せた。空には稲光はおろか、雨雲さえも見当たらない。
市は発生直後から安佐南、安佐北(あさきた)両区の小学校や公民館に避難所を設置。全国各地からの支援もあり、当面の食料や生活用品は確保されてきた。医師らの巡回のほか、東日本大震災をきっかけに発足した災害派遣精神医療チーム(DPAT)も初めて活動に乗り出した。
一方で、土砂の撤去が進まない地区も多く、避難生活の長期化は必至だ。高齢者の中には、足の静脈に血栓ができている事例も判明。エコノミークラス症候群の兆候とされ、放っておくと呼吸困難や脳梗塞につながる恐れがある。