外為市場も大きく動いた。14日の東京外為市場は、約1カ月ぶりの円高ドル安水準となる1ドル=107円台前半で推移。日本時間14日夜の欧州の外為市場では、1ドル=106円台後半まで円が買われた。円相場は今月1日に1ドル=110円台をつけてから、わずか2週間で3円超買い戻された形だ。
みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは「国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを下方修正したことに加え、米国内でエボラ出血熱の感染例が確認されたことも、リスク回避の動きにつながっている」と分析する。
「安定させる政策を」
ジェットコースターのように変動する相場に、企業からは不満や不安が漏れる。代表的な輸出関連企業である日産自動車の川口均専務執行役員は「円安は歓迎するが、相場は安定的に推移した方が長期的な計画を立てるにはいい」と指摘。約2100社の中小企業が加盟する東京中小企業家同友会の担当者は「政府が株価を上げるために無理に円安誘導しようとするから、円相場がコロコロ動く。中小企業が安心して商売できるように、円相場を安定させるような政策を考えてもらいたい」と注文をつけた。