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「守るべき美」がはっきり見えてくる 「ニッポン景観論」著者 アレックス・カーさん (3/5ページ)

2014.10.21 17:20

徳島県祖谷(いや)に立つ築300年の茅葺き家屋「ちいおり」の前に立つアレックス・カーさん=2012年4月9日、徳島県三好市(提供写真)

徳島県祖谷(いや)に立つ築300年の茅葺き家屋「ちいおり」の前に立つアレックス・カーさん=2012年4月9日、徳島県三好市(提供写真)【拡大】

  • 美しい街並みが残る奈良県吉野郡吉野町で、まちづくりに取り組む市民団体が作成したモンタージュ(『ニッポン景観論』より、提供写真)
  • 美しい街並みが残る奈良県吉野郡吉野町。現状は電柱や看板でいっぱい(『ニッポン景観論』より、提供写真)
  • 「ニッポン景観論」(アレックス・カー著/集英社新書ヴィジュアル版、1200円+税、提供写真)

 自然、文化を残して

 自身の考える「守るべき日本の美」とは何か。

 「まずは自然。山、川、水、紅葉…。万葉集の時代から愛され続けてきた風土です。次に文化。日本はシルクロードのゴールとなった国。あらゆる文化を受け止め、丁寧に磨き上げてきたものが街並みや生活文化などに残されてきました。しかし、このいずれも、『古いものや不便なものは時代遅れ。新しく奇抜なものこそがすばらしい』というゆがんだ価値観によってダメージを受けてきました。これは先進国の発想ではありません。混沌(こんとん)こそがアジアらしさなのだという主張もありますが、同じアジアのシンガポールやバリ島などでも伝統的な景観を保全し、シックな街並みを作り上げています。言い訳は通用しないのです」

 何もない魅力

 現在、京都や長崎など各地で古民家再生事業を手がける。原点となったのは徳島県祖谷(いや)にある1軒の茅葺(かやぶ)き家屋だ。「●(=簾の广を厂に、兼を虎に)庵(ちいおり)」と名付けられたこの家屋は、約40年前に買い取って以来、伝統建築の美しさはそのままに、水回りなどの徹底的な改修を行ってきた。今では世界各地から外国人が集まる場となっている。

そこには『何もない魅力』がある

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