日米の実質賃金推移<2008年9月~2014年9月>=※2008年9月=100、※データ:CEIC【拡大】
蔓延する「バカの壁」
今回のグラフには示していないが、期間を1990年代初めの日本の資産バブル崩壊後までさかのぼってみると、実質賃金は94年初めに反転し始め、回復基調が続いていたが、97年4月の消費税増税で急落した後、低落傾向が定着した。下げ止まって少し反転しても、長続きせずに再び下落し、97年の消費税前のピーク時に比べると、現在の実質賃金水準は十数%も低い。前回も今回も、消費税増税が実質賃金を押し下げる最大のきっかけであると同時に、下落基調を定着させる元凶であることは明らかだ。
それにしても、日本はなぜ、こうも自らを破壊する政策を繰り返すのか。97年増税以来の慢性デフレや、実質賃金低落基調の原因についての徹底的な検証が行われない。間違った政策の責任を誰もとらないばかりか、当事者は知らぬふりをして、また同じ増税を推奨する。要するに、目先の財源確保のためには増税しかないという「バカの壁」が財務官僚、政治家、さらに御用経済学者、メディアに蔓延しているから、増税以外の方法に目を向けようとしない。