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【拉致再調査】27日に平壌へ担当者派遣 首相の賭け 指導部直結ルート構築 (3/3ページ)

2014.10.23 09:15

記者団の質問に答える安倍晋三(しんぞう)首相=2014年4月22日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影)

記者団の質問に答える安倍晋三(しんぞう)首相=2014年4月22日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影)【拡大】

  • 【拉致再調査】拉致問題をめぐるこれまでの政府調査団=2002年9月28日~2014年10月30日、※肩書は当時
  • 5月28日、首都ストックホルムで行われた3日目の日朝外務省局長級協議を終え、記者団に囲まれる北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使。翌29日、北朝鮮はすべての拉致被害者の再調査を約束した=2014年、スウェーデン(ロイター)
  • 政府の説明を聞くの飯塚繁雄代表(右)、横田早紀江さん(右から3人目)ら拉致被害者家族会のメンバー=2014年9月19日午後、東京都千代田区の内閣府(三尾郁恵撮影)
  • 拉致被害者、増元(ますもと)るみ子さん=拉致当時(24)=の弟で、家族会事務局長の照明さん=2014年5月30日、東京都千代田区(財満朝則撮影)
  • 政府が認定する安否不明の拉致被害者(「死亡」「未入国」は北朝鮮の発表・回答)。※拉致被害者の項目は、氏名、当時の年齢、北朝鮮発表の順
  • 北朝鮮・首都平壌市

 今回の担当者派遣は、再調査をめぐる北朝鮮との認識のズレを修正する狙いもある。日朝は5月に「全ての日本人に関する調査」で合意した。しかし、北朝鮮が時間の経過とともに、拉致被害者の再調査ではなく、日本人配偶者や行方不明者などの他の再調査を優先している疑念が消えないからだ。

 首脳会談も視野に

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は22日の記者会見で「具体的な調査結果が得られる見通しではないという前提で訪朝する」と強調、国内世論の期待が高まり過ぎないよう“予防線”を張ることも忘れなかった。2日間の調査委からの聴取で再調査の実態がどこまで明らかになるかは不透明で、北朝鮮側のペースに乗せられる危険性は否定できない。

 2004年に政府の担当者が訪朝した際、北朝鮮は拉致被害者、横田めぐみさんのものとされる遺骨を日本側に提出したが後に偽物であることが判明し、世論の批判が高まった。今回も北朝鮮が不誠実な態度をとれば、国民が「対話」を支持しなくなる懸念がある。

 首相には、日朝首脳会談へのきっかけをつかみたいという思惑もあるようだ。拉致問題をライフワークとする首相が、大きな賭けに出たといえる。(山本雄史/SANKEI EXPRESS

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