「近隣国と協力拡大を」
習主席は、インドが最も嫌がる南アジアへの影響力行使を堂々とインド側に突きつけ、中国の台頭を認めるよう迫る意図を、演説に色濃くにじませたといえる。
インドのシンクタンク、オブザーバー研究財団のラジャ・モハン研究員は、10月29日付インド紙インディアン・エクスプレスのコラムで、「台頭する中国は、インドの近隣国にとり、最も重要な域外パートナー国になっており、インドは単に中国の影響力がなければいいと思えばよいのではない。近隣国に越えてはならない線を引き、公然と圧力を加えてもうまくいかないだろう」と指摘した。
そのうえで、「南アジアで中国の安全保障の範囲と構造を限定する唯一の方法は、すべての近隣国に国防分野を含めたインド自体の協力を拡大することだ」と提言している。(ニューデリー支局 岩田智雄(いわた・ともお)/SANKEI EXPRESS)