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本能に生きる主人公がうらやましい 映画「紙の月」 宮沢りえさんインタビュー (2/5ページ)

2014.11.14 13:20

「私の暗記力がすごい?_窮地に追い込まれたら誰だってセリフの暗記などできますよ」と語る、女優の宮沢りえさん=2014年11月6日、東京都港区(鴨川一也撮影)

「私の暗記力がすごい?_窮地に追い込まれたら誰だってセリフの暗記などできますよ」と語る、女優の宮沢りえさん=2014年11月6日、東京都港区(鴨川一也撮影)【拡大】

  • 「旅行と友人との食事についてはお金の出し惜しみはしません」と語る、女優の宮沢りえさん=2014年11月6日、東京都港区(鴨川一也撮影)
  • 映画「紙の月」(吉田大八監督)。11月15日公開(松竹提供)

 バブル崩壊直後の1994年、銀行の契約社員として外回りの仕事を精力的にこなしていた梨花は、そのきめ細やかな仕事ぶりで上司たちの信頼も厚かった。ところが夫といえば、自分の出世と上司のご機嫌ばかりに気をもむ仕事人間。心の中では妻の仕事を小ばかにしていた節もあり、梨花は夫との関係にむなしさを感じていた。そんなある日、顧客の孫で大学生の光太(池松壮亮(そうすけ))と出会う。

 宮沢は普段の自分とはまるで違うタイプの役どころほど、緻密(ちみつ)かつ立体的に構築してやろうとファイトがわいてくるらしい。「『役者にできない役はない』が私のモットーです」。宮沢は演者としての心構えを力強く語った。撮影現場では役者が言いにくいせりふを別の言い方に換えてもらう場面を目にしてきたが、宮沢は苦々しく思っているという。

 「そういうことを頼むのは好きではありません。言えないものを言えるように努力するのが役者です。演出家の指示に対し、私は『できません』とは言わないし、『言えないせりふなどない』とも思っています」。昨年、病に倒れ、舞台を降板した天海祐希(47)の代役を、わずか2日間のけいこで完璧に務めあげた宮沢の発言だけに説得力がある。

捨てる勇気があるから

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