「広域的地域間共助」とは、離れた地域同士が普段から交流をすることで、災害発生時に互いに助け合えることを目的にした事業のことだ。
「自分たちは実際に避難をし、受け入れるという立場を経験してきている。ただつながるだけではなく、より実効的なものにできないか。そんな思いから、訓練の企画が持ち上がった」(豊島さん)。事業に選定され、2団体と2町1村で協議会を設立。震災後の支援体制などを精査し、その成果として訓練を開催した。
正確なシステム必須
訓練では、インシデント・コマンド・システム(現場指揮システム、ICS)を取り入れた。災害時の指揮系統や管理手法をスムーズにするための世界共通のシステムだが、日本ではまだ普及していない。「災害時は情報の混乱が障害となる。実際の支援活動を通じて、迅速かつ正確に対応できるシステムづくりが不可欠だと感じました」(豊島さん)。
国交省の事業は終了したが、訓練は手弁当で来年も行う予定だ。
「せっかくできたつながり。これだけで終わらせるのはもったいない」と豊島さん。震災で生まれた「つながり」は、新しく、そして強いものとなって未来へとつながっていく。(取材・構成:塩塚夢/撮影:フォトグラファー 島晃/SANKEI EXPRESS)