中国共産党の青年組織である共産主義青年団系の週刊紙「重慶青年報」(2014年7月3日付、電子版)に掲載された日本地図。「日本は再び戦争をしたがっている」との表題を付け、キノコ雲のイラストを広島と長崎の位置に書き込み、日本を威嚇した(共同)【拡大】
南シナ海の9割を、U字型に配した9本の破線で囲み「中国の主権、主権的権利、管轄権が及ぶ範囲」と宣言した《九段線》も法律戦の先兵。大陸に在った中華民国が第二次世界大戦後の1947年に創った《十一段線》が原型だ。国共内戦(1946~50年)勝利目前に建国(49年)した中国も十一段線を継承。後に、社会主義系の「北ベトナム勢力」との関係を重視し海南島とトンキン湾の間の2破線を消す。これで《九段線》となり、内側の島嶼・岩礁や海底・水産資源を強奪してきた。今のところ実線=国境線を引く戦争行為は控えるが「漢代(前206~220年)以降、徐々に管理を始めた」(中国軍副総参謀長)と珍説は譲らない。米紙は4月、冷笑に批判を込めた。
《地図作製者は規模と確度を尊ぶが、九段線は正確な位置を示していない。マジックペンで書き足されたように見える》
新たに許可された地図にも健筆が振るわれ、台湾東岸に破線が1本加わり《十段線》へと進化を遂げた。台湾は中国と同色で塗られ、枠で囲みスミで小さく別掲載だった南シナ海も同じ縮尺で地図本体に組み込まれた。
知らぬ間に増える破線は「列強に奪われし清代(1636~1912年)の版図」とか。法律戦というより「呆律戦」と地図戦のコラボと呼ぶ方がしっくりくるが「中華民族の偉大な復興」を実証する勢力圏を示す戦線であり、呆れてよい情勢にはない。