中国共産党の青年組織である共産主義青年団系の週刊紙「重慶青年報」(2014年7月3日付、電子版)に掲載された日本地図。「日本は再び戦争をしたがっている」との表題を付け、キノコ雲のイラストを広島と長崎の位置に書き込み、日本を威嚇した(共同)【拡大】
そも戦後の日本領土確定は講和条約でなされ、カイロ/ポツダム宣言に最終的な法的権能はない。確かに講和条約により、日本が日清戦争(1894~95年)に勝ち、中国から割譲した台湾+澎湖諸島領有権を敗戦で放棄させられた。けれども、尖閣は台湾+澎湖諸島に含まれない。尖閣は講和条約に基づき、南西諸島の一部として米国が施政権を現に行使。沖縄返還時、返還区域に明示された歴史的事実でも、逆に裏付けられた。条約締結にあたり、中国/中華民国や敵対した国々はいずれも異議を唱えていない。中国がわめき始めたのは1968年、国連機関の調査で東シナ海に石油が埋蔵されている可能性が発覚して後。
しかし、以上を主要国に平易に説明しても国民は地元紙の、しかも大使による偽証を信じる。世論戦は懐柔に向けた心理戦の合力で戦力を増すのだ。
もっとも、心理戦の正体は凶暴だ。共産党系週刊紙に7月、心理戦とリンクした常軌を逸した地図が載った。集団的自衛権行使に道を開いた《安倍晋三政権が戦争をしたがっている》として、キノコ雲のイラストを広島・長崎両県上空に挿入。《友好的過ぎた。行動上、寛容過ぎた》と威嚇した。
四戦で衰弱させた国家・国民に対するトドメの五戦目は何か。実戦…。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)