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【安倍政権考】首相と対極的 金丸氏の政治手法 (3/3ページ)

2014.12.8 15:50

訪朝し、金日成主席(中央)と握手を交わす自民党の金丸信(かねまる・しん)副総理(左)と社会党の田辺誠副委員長(右)=1990年9月26日、北朝鮮(奥村茂撮影)

訪朝し、金日成主席(中央)と握手を交わす自民党の金丸信(かねまる・しん)副総理(左)と社会党の田辺誠副委員長(右)=1990年9月26日、北朝鮮(奥村茂撮影)【拡大】

 朝鮮新報のホームページには、9月26日に甲府市内で行われた解団式の様子を伝える動画が載り、訪朝団の「感想」が文字で流されている。

 「訪朝を通して、朝鮮への印象が変わった。知り合いに朝鮮の魅力をどんどん伝えていきたい」

 「金永南委員長との面談は一番印象に残っている。これは、日朝国交正常化のために、献身した金丸元副総理の功績があってこそ実現できたと思う」

 金丸氏は、社会党議員と良好な関係を維持したが、これは主に国対委員長時代に築き上げたものだ。その延長線上に田辺誠氏との金丸訪朝団があるのは間違いない。山梨県知事選と金丸訪朝団と、金丸氏はいずれにおいても社会党を取り込んで影響力を行使した。イデオロギーの対立は横に置き、「55年体制」というなれ合い社会を体現させた象徴というべき存在だったといえる。

 一方の安倍氏は、首相を辞任し、出身の最大派閥「清和政策研究会」をバックにキングメーカーになっても、金丸氏のスタイルをとることはないだろう。社会党を民主党に置き換えても、首相がリベラルの体質をもつ民主党と協調することは到底考えられない。それは保守政治家の矜恃といえる。(坂井広志/SANKEI EXPRESS

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