安倍晋三首相(60)の経済政策「アベノミクス」の是非を争点にした第47回衆院選が2日公示され、各党の舌戦は本番に入った。
報道各社も、各選挙区の情勢や各党党首の動向をつぶさに追う「取材合戦」に熱が入る。同時に、立候補者の名鑑の作成や当落を予想、判定する組織(産経新聞社は「選挙班」と呼んでいる)が活動する。
名鑑は、候補者の氏名や年齢、肩書、学歴や経歴、それに顔写真を載せた資料である。候補者紹介でしかないが、有権者が誰に投票するかを判断する有力な材料になる。些細(ささい)なミスがあっても、候補者にとっては当落に影響しかねない場合があり、選挙班にとって名鑑作りは最も神経を要する作業になる。
名鑑作りは、立候補が予定されるすべての人の情報収集から始まる。集まると、選挙用に構築したシステムに入力する。ここが最大の難関といえる。例えば、姓の「サカモト」は「阪本」「坂本」「坂元」などいくつかあり、変換ミスをやりかねない。「東」のふりがなは「あずま」も「あづま」もある。何度も読み合わせを行い、ミスを防ぐ。