捜索時にヘリコプターの発着場となった麓の王滝村にある松原スポーツ公園の献花台には時折、犠牲者を追悼する人が訪れた。
噴火当日に山頂付近にいたという長野県駒ケ根市の男性会社員(56)は花を供え、「助かったのは運が良かったということしかない」とかみしめるように語った。母(98)と発生時刻に手を合わせた王滝村の主婦、小谷洋子さん(62)は「行方不明の人が家族の元に戻るように、早くお山が静まるよう祈った」と涙ながらに話した。
噴火後、警察や消防、自衛隊は延べ約1万5000人を投入して山頂付近を中心に、取り残された登山者を捜索。積雪などで二次災害の危険性が高まっているとして10月16日に中断され、再開は来春以降に持ち越された。
気象庁は噴火後、噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き上げた。火山活動には低下傾向が見られるが、小規模な噴火が発生する可能性はある。
火口から4キロ以内の立ち入り規制は続いている。