ポートランドで開催された「世界ひげ選手権」に出場するため、カリフォルニア州南部のサンディエゴからやってきたジェミー・ルイスさん。酒造店に勤めており、ブルワリーをはしごしていた=2014年10月23日、米オレゴン州(緑川真実さん撮影)【拡大】
「マウントフッド」はオレゴン州で最高峰となる標高3425メートルの山。万年雪に覆われた山頂はスキー客でにぎわい、日本からもスノーボーダーが訪れる。ポートランドから郊外にドライブすれば、すぐにその雄姿を見ることができる。目指すはコロンビア峡谷だ。カナダのロッキー山脈を源流にオレゴン州とワシントン州の州境を流れ、数多くの滝を眺められる。雄大な風景を撮影しようと、世界中からプロ、アマチュア問わず写真家たちが集まる。
この川から得られる水資源と比較的、温暖な気候から得られる自然の恵みが、オレゴン州の「地産地消」を支えている。ポートランドなど人の集まる都市部にはブルワリーが多い。地域で得られる水、大麦、ホップで上質なクラフトビールが醸造できるからだ。
「ハーイみなさん、ようこそブルワリーツアーへ!」。大きなおなかを抱えた、元気いっぱいのお姉さんが現れた。クラフトビール醸造所を回るツアーのガイド兼ドライバー、アン・ロージーさん(31)。実は運営会社の社長でもあり、この日は社員の急病で急遽(きゅうきょ)復帰した。ツアーは3カ所のブルワリーを順に巡り、さまざまなビールを飲み比べ、軽い食事がついて175ドル(約2万1000円)だ。アンさんは途中、ビールに関するクイズ大会も開くなど大活躍、その陽気さのおかげでビールがさらにおいしくなったような気がした。