【国際情勢分析】
米欧の対ロシア制裁に国際原油価格の急落が重なり、ロシア経済は通貨ルーブルが暴落するなど危機的局面に入った感がある。国民の多くは物価高騰や収入の目減りを実感し始めており、生活の防衛に躍起だ。ウラジーミル・プーチン大統領(62)の支持率はいぜん高止まりしているものの、3月のクリミア併合やウクライナ介入の「代償」が高すぎると感じる人も少なくない。
物価高騰で買い急ぐ庶民
モスクワ郊外にあるスウェーデンの家具大手イケアの巨大店舗は、平日の日中も客でごった返している。棚を購入した女性客、エレーナさん(67)は「物価の高騰が激しく、年金の価値が半減したようなものだ。さらなる値上がりを恐れて買い急いだ」という。
照明器具を買った看護師女性、ワレンチナ・イワノワさん(49)はクリミア併合を肯定的にとらえつつ、プーチン政権の経済政策は評価しないと語った。「新年休暇の海外旅行は諦めた。来年はたいへんな年になるのではないか」