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【木村英輝さん 生命を描く】(4-3) 「もっと面白いこと」 根底にロック (2/3ページ)

2015.1.8 18:45

壁画のモチーフは依頼者と相談した上で決める。こちらは店の名から椿の花を描いた=2014年9月20日、埼玉県川越市の和雑貨店「川越椿の蔵」(田中幸美撮影)

壁画のモチーフは依頼者と相談した上で決める。こちらは店の名から椿の花を描いた=2014年9月20日、埼玉県川越市の和雑貨店「川越椿の蔵」(田中幸美撮影)【拡大】

  • このあたりはかつて鴨川へと繋がる池が点在していたことから、コイを描くことにした。「鯉が天に登り龍になる」という中国の故事、登竜門にちなんだという=2014年12月12日、京都市中京区の御池通地下街「ゼスト御池」(田中幸美撮影)
  • 空に向かって飛翔するゾウが描かれたガラス戸。どこか琳派(りんぱ)の創始者、俵屋宗達が杉戸に描いたゾウを彷彿とさせる=2014年8月15日、京都市中京区の担々麺専門店「麺_匹十(ピート)」(田中幸美撮影)
  • 動植物をモチーフにして描く際には、事前に必ずスケッチをする。最初の壁画のモチーフとなったサイを描いたときは、京都や大阪の動物園にサイがいなかったため、東京・上野動物園にまで足を運んだ=2014年6月19日(田中幸美撮影)
  • 壁画が完成すると、依頼者の記念日などを考慮しながら日付とサイン、そしてタイトルを描き入れる=2014年9月22日(田中幸美撮影)

 一方で音楽プロデュースの仕事をしながらも、美大時代に触れたアンディ・ウォーホル(1928~87年)をはじめとするポップアートや、マルセル・デュシャン(1887~1968年)に代表されるコンセプチュアルアートなどの先端アートへの興味は持ち続けていた。腰を落ち着けて絵を描く時間こそなかったが、イベントのポスターやチラシをササッと描き上げてしまう多才なプロデューサーだった。

 還暦前の転身

 そんなキーヤンがなぜ還暦を前に絵を本格的に描き始めたのか。

 他人を盛り上げる裏方の仕事を40年近く続け、どこか踏み切れずにいた。

 お金もうけをしてこそ「プロフェッショナル」といわれる日本の風潮にも違和感があった。

 そして、なにより「先端アートの人たちよりもっと面白いことをやれる」という自負がずっと内面にあった。

 しかし、アートの世界に身を置く友人を見渡すと、純粋なアートだと言いながら誰もやってないことを探す「アイデア探し」に躍起になっていることに気付き、「ものすごいイヤやった」。そんなアートの世界に身を投じたくないと思う一方、「逃げたくない。挑みたい」とも思った。

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