殺害された学校長の代行、モハンマド・タリク氏によると、学校には高さ約5メートルの壁が事件後築かれ、その上には有刺鉄線が張り巡らされている。約20人の生徒がケガのため、まだ登校できていない。傷ついた生徒らの心を回復させるのが課題で、専門家がカウンセリングを行っている。講堂は生徒には使用させず、新たな施設を建設中だ。
事件の衝撃は、多くの国民を反タリバン運動へと突き動かした。タリバン運動との対話による和平を唱えていたクリケットの元スター選手、イムラン・カーン氏(62)率いる政党、パキスタン正義運動は軍事作戦の支持に転じ、首都イスラマバードで約4カ月間続けていた反政府デモを中止した。
新たな犯行予告
テロ掃討作戦を続けてきたナワズ・シャリフ首相(65)は、テロ犯死刑囚に対する死刑の一時停止を撤廃し、20人余りが処刑された。対テロ行動計画の策定作業にも取りかかり、テロ犯を裁く軍事法廷を設置するための憲法改正を行った。一般法廷の判事が報復を恐れてテロ事件の司法手続きを進めず、テロ容疑の被告が釈放される事案が相次いでいたためで、国内に9つの軍事法廷を設置する予定だ。