芥川賞を受賞した小野正嗣(まさつぐ)さん(右)と直木賞を受賞した西加奈子さん=2015年1月15日、東京都千代田区内幸町の帝国ホテル(宮崎裕士撮影)【拡大】
第152回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は小野正嗣(まさつぐ)さん(44)の「九年前の祈り」(「群像」9月号)、直木賞は西加奈子さん(37)の「サラバ!」(小学館)にそれぞれ決まった。
4度目の候補で芥川賞に輝いた小野さんは大分県生まれ。東京大大学院を経て、仏パリ第8大学で文学の博士号を取得。現在は立教大文学部准教授。
受賞作は東京でカナダ人の同棲(どうせい)相手に去られ、幼い息子を抱えて田舎に戻ってきた女性が主人公。深い孤独にさいなまれた女性が、9年前のカナダ旅行の記憶を思い起こしながら立ち上がっていく姿を描く。
西さんはイラン・テヘラン生まれ。大阪とエジプト・カイロで育ち、関西大学卒業後、雑誌ライターを経て2004年デビュー。直木賞候補は2度目。
受賞作は上下2巻にわたる大作。少年時代をエジプトで過ごした主人公が、離婚した両親や個性的な姉、近所のおばちゃんらとの付き合いの中で自我を確立していくさまを描く。
贈呈式は2月中旬、東京都内で開かれる。賞金は各100万円。