「作品には自動車の時代が反映されています。自らの足で歩き、撮影する父と対比をなしています。歴史の流れは被写体にも写し込まれ、アメリカ化していくアラスカが撮影されています。それは父がその直前に捉えた日本の姿にも同じものを見ることができます」
テオはさらに、アラスカを写した一連の作品に流れる主題として旅行を挙げ、対象物が持つ壊れやすい美しさに踏み込まぬよう傍観者として距離を置いて撮影しているという。
「父はルポルタージュをして何かを訴えるという視点から離れ、旅をするという考え方でカメラを手にしています。行く先々で起きた発見や出会いを自らの心の震えとともに写し込み、眼前に広がる光景の向こうに息づく人間の姿と彼らの思いを写真に収め、いつの時代も、どこの場所でも変わらない人間の真実が示されています」(谷口康雄/SANKEI EXPRESS)