会場となったのは、ロンドン郊外の北部に位置するミルトンキーンス。毎年、ナショナルレースが開催されていたサーキットだが、国際大会を招致するのは初めてのこと。大会前は参加する選手からは「どんな大会になるのだろう?」という声が聞かれていたが、蓋を開けてみれば、穏やかな天候にも恵まれ、たくさんの自転車ファンが集まる素晴らしい雰囲気の中で、エキサイティングなレースが展開された。
≪競技躍進と生活改革が人気底上げ≫
2012年にロンドン五輪が開催されたイギリスは、近年急速に自転車競技の人気が高まった。10年にイギリスに設立されたイギリスのテレビ局がメーンスポンサーを務めるロードレースチーム、「チームスカイ」は、5年以内にチームからツール・ド・フランス覇者を輩出することを目標に活動を始めたが、設立から3年目に当たる12年にブラッドリー・ウィギンスが優勝し、その翌年も同じチームのクリス・フルームが優勝した。
そしてロンドン五輪では、自転車競技全体で12個ものメダルを獲得し、瞬く間に世界屈指の強豪国となった。もちろん今回、イギリスでシクロクロスのワールドカップが開催された背景にも、世界選手権で表彰台に乗るような強豪イギリス人選手の存在と、その人気がある。