サイトマップ RSS

結び目があらわす日本文化の真行草 日本の神さまは何かに結ばれて里山にやってくる 松岡正剛 (2/5ページ)

2015.1.25 17:25

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

  • 【BOOKWARE_松岡正剛】BOOK_MEETS_BOOK

 日本人がこれほどムスビを重視してきたのには、明確な理由がある。日本のカミは外からやってくる外来神であり、客神だったからだ。ホストの神ではなくゲストの神なのだ。おまけに、いつやって来るかもわからないし、一神教のようには姿がはっきりしない。そこでカミが降臨したり来臨したりするだろうところに、目印の依代(よりしろ)を立て、そこを結界して注連縄や幣(ぬさ・みてぐら)などを結んだのである。これが神社のおこりでもあった。ムスビは神祇のしきたりから生じていったのだ。

 それにしても、その結び方や結び目たるや、なんとも多彩、なんとも多様で美しい。その紐(ひも)も美しい。おまけに結びには「三輪(みつわ)結び」「あわび結び」「掛帯結び」「相生(あいおい)結び」など、百種をゆうにこえる結びがあって、それらが真行草の3段階の見せ方をもっている。「あわび返し」なんて結びもある。まことに華麗、まことに優雅だ。

 こんなふうに日本の結びを発達させ、維持させてきたのは有職故実(ゆうそくこじつ)のおかげだった。これは奈良末期から平安の延喜天暦の期間に朝廷が「格式」を徹底して組み立て、そこに儀式や行事のルールとツールを事細かに記載したせいだ。それが朝廷行事から公家文化へ、さらに武家文化・町人文化に広まったのである。これからは神社の飾りや和菓子の包みを見ても、水引を見ても、先達たちの有職故実を想うことをお奨めする。

日本は神々によって結ばれて生まれたヒの国

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ