【KEY BOOK】「有職故実」(上下)(石村貞吉著/講談社学術文庫、1188円、1296円)
上巻で官職・位階、内裏・大内裏、儀式典礼、年中行事を、下巻で服飾、飲食、殿舎、調度・興車、甲冑・武具、武技・遊戯を扱っている。上巻で皇族にまつわるルールがほぼわかり、下巻で公家と武家と神社が守っている「結び」のあらかたがわかる。有職故実がわかってくると、日本のしきたりのあらかたが見えてくる。本書はわかりやすく、巻末索引もついているので、とくにイベントプロデューサーやデザイナーが読んだらどうか。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。80年代、編集工学を提唱。以降、情報文化と情報技術をつなぐ研究開発プロジェクトをリードする一方、日本文化研究の第一人者として私塾を多数開催。おもな著書に『松岡正剛千夜千冊(全7巻)』ほか多数。「松岡正剛千夜千冊」(http://1000ya.isis.ne.jp/)