意図的か不本意か
そんなことを言われれば、美術批評家としてはぜひとも「真意」を確かめたくなるではないか。というわけで先日、早速足を運んできた。そのときの会場の様子は、いま紙面にレイアウトされているとおりだ。みなさん、その真意について、どう思いますか?
だが真意など、私が訪れた時点で、もうとっくに失われていたのかもしれない。というのも、入り口に貼られていたハガキのうえから、本人の手でタイトルに×が引かれ、代わって「ぞんざいな回転」と書かれていたからだ。つまり本展は、案内のハガキを出し終えてからタイトルが変わってしまったという、きわめて稀(まれ)な展覧会なのだ。
私は考えた。これは意図的なものなのか。それとも不本意な変更なのか。もしも前者だとしたら、来場者は会場に来て初めて「絵画の存在とその展開について」と名付けられた個展の真意が、たんに一枚の同じ絵をめぐる「ぞんざいな回転」に過ぎなかったことに気付くことになる。