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真意求め思考が回りだす しりあがり寿「絵画のぞんざいな回転について」 椹木野衣 (3/5ページ)

2015.1.26 11:50

しりあがり寿「絵画のぞんざいな回転について」作品=2015年1月19日(原圭介撮影)

しりあがり寿「絵画のぞんざいな回転について」作品=2015年1月19日(原圭介撮影)【拡大】

  • しりあがり寿「絵画のぞんざいな回転について」つぼの絵(提供写真)
  • しりあがり寿「絵画のぞんざいな回転について」単独で回転する作品=2015年1月19日(原圭介撮影)
  • しりあがり寿「絵画のぞんざいな回転について」回転する作品群=2015年1月19日(原圭介撮影)

 現代美術の作家は、とかく物事をむずかしく考えがちだ。だから、自分の個展に「絵画の存在とその展開について」というようなタイトルをつけたがる。しかし、一見しては真摯(しんし)そうなそんな問いへの答えが、「たんに絵がいろいろに回転するだけ」だったとしたら、どうだろう。もっと哲学的な「真意」を求めていた者は、あっと拍子抜けするだろうか。あるいは怒り出すだろうか。いずれにせよ、この会場で大小さまざまなかたちをとり、いろいろな速度で勝手気ままに回転している同じ一枚の絵が、まぎれもなく「絵画の存在(ぞんざい)とその展開(回転)について」であることに違いはない。だとしたら、この哲学的な問いの「真意」が、この展示風景であったとしても、べつに困る理由などない。

 が、個展のタイトルをめぐるこの変更が、もし後者-すなわち不本意な変更であったとしたら、どうだろう。その場合は、「ぞんざいな回転」は、もはや真意にはなりえない。というよりも、「絵画の存在とその展開について」探求した結果、その真意へと到達することに挫折した作者が、やむなく「絵画のぞんざいな回転について」でお茶を濁したことになるだろう。

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