彼は「ビッグプレーヤーが外すのをテレビで見てきた。これがずっと(映像で)残っていくのは悔しい」と話した。
彼の脳裏に浮かんだのは、1994年米国W杯決勝のブラジル戦で、バレージ、マッサーロが外した後、5人目のエース、ロベルト・バッジョまでが失敗したイタリアのPK戦か。あるいは2000年シドニー五輪準々決勝、米国とのPK戦で中田英寿(なかた・ひでとし)が外して敗れたあのシーンか。
いずれにせよ、本田は自らのミスキックで敗れた試合の直後に、自らをバッジョや中田になぞらえて語ったのだ。
香川に、このずぶとい神経と毛の生えた心臓があれば、と心底残念に思う。本田だって悔しいに違いないし、うちひしがれてもいただろう。それでも前を向いて大きく見せることができるのが、彼のすごいところだ。
いつまでも座り込む香川の腕を取って立たせたのは、ハビエル・アギーレ監督だった。アギーレは「PK戦は運。勝つ確率は50%に落ちる」と話したが、多くの好機を作りながら勝ちきれなかったのも、監督の責任ではある。「勝利に値するプレーをしたのはわれわれだ」の負け惜しみも、アジアで8強止まりの事実の前では色あせる。