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景色変える「ささやかな魔法」 ガブリエル・オロスコ展〈内なる複数のサイクル〉 (3/5ページ)

2015.2.2 11:00

「ピン=ポンド・テーブル」(1998年)金沢21世紀美術館蔵=2015年1月23日(原圭介撮影)

「ピン=ポンド・テーブル」(1998年)金沢21世紀美術館蔵=2015年1月23日(原圭介撮影)【拡大】

  • 「La_DS_カーネリアン」(2013年)=2015年1月23日(原圭介撮影)
  • アーティスト、ガブリエル・オロスコ(1962年~)=2015年1月24日(原圭介撮影)

 毛色は違うが、自動車のシトロエンを3分割し、中央の3分の1とエンジンを取り除いて2人乗りに組み立て直した「La DS カーネリアン」(2013年)も、自動車という「器」に働きかけた作品といえる。

 シトロエンDSは1955年に発表されたフランスの乗用車。約20年間、仏車の主軸を支え、未来を紡ぐ車として人気を集めた。オロスコは「器」の形を変えることで、鑑賞者が抱いてきたDSに対するイメージを変えようとしている。

 「ルール」も変化させ

 自らの働きかけで、何かを変えていく手法は、ルールに対しても行われる。例えば「ピン=ポンド・テーブル」は、卓球台2台が十字に組み合わされ、台の端が丸くカットされている。さらには中央に池が設けられ、花まで浮かべられた。4人(8人?)で普通にピンポンをするのか、別な競技をするのか。池に球が入った場合、どんなルールにするのか? 見る人はさまざまな考えを巡らすことになる。

「世界の循環」表現

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