首都アンマンでは、中尉の虐殺映像が流れた3日夜に抗議デモが発生。政府は市民の怒りに呼応するように、中尉との身柄交換を釈放条件にしていたリシャウィ死刑囚の処刑を宣言し、日の出を待たずに即時執行した。
一方、中尉の出身地である中部カラク地方の部族が集う市内の集会所前では、中尉の親族が政府を批判。「米国の戦争に協力しなければ殺されることもなかった」などと訴えた。
過激派の浸透を恐れるヨルダンは昨年9月、米国が主導する有志連合の軍事作戦に参加。中尉の戦闘機は12月24日、シリア領内のイスラム国支配地で墜落して拘束された。
ヨルダン政府は、イスラム国に中尉の生存確認を重ねて要求する一方、生存可能性は「五分五分」(下院のバッサム・マナシール外交委員長)と分析していた。だが、1月3日に殺害されたとの情報が正しければ、中尉は墜落からわずか10日で殺害されていたことになる。定評のある情報収集能力にも疑問符がつけられた。(アンマン 吉村英輝/SANKEI EXPRESS)